CFRPとは?

CFRPとは、「Carbon Fiber Reinforced Plastics」の略で、「炭素繊維強化プラスチック」を意味します。プラスチック、つまり樹脂を炭素繊維で強化することで、樹脂単体よりも高い強度や剛性を得ることが出来ます。

 

CFRPは何で出来ている?

CFRPに使われる炭素繊維には、PAN系とピッチ系の2種類があります。PAN系炭素繊維は、PAN(ポリアクリロニトリル)が原料で、ピッチ系炭素繊維は、石油や石炭から得られるピッチと呼ばれるものが原料の炭素繊維です。

詳しくは「ダウンロード」の「CFRPの基本の基本.pdf 10~12ページ」を参照

CFRPに使われる樹脂には、加熱すると硬化する熱硬化性樹脂と、加熱すると融解する熱可塑性樹脂があります。CFRPへ主に使われているのは熱硬化性のエポキシ樹脂ですが、そのほかにも不飽和ポリエステル、ビニルエステル、フェノール、シアネートエステル、ポリイミド、熱可塑性樹脂ではポリアミド(PA)、ポリカーボネイト(PC)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルエーテルイミド(PEEK)などが使われます。

これらの炭素繊維と樹脂を組み合わせることで、様々な特性を持ったCFRPを作ることが出来ます。

 

CFRPはどのように成形する?

CFRPを成形する場合、プリプレグと呼ばれる炭素繊維に樹脂が含浸したシート状の材料を使う方法や、炭素繊維(束状ないしは織物状)に液状の樹脂を含浸させる方法があります。それぞれに特長がありますので、作りたい製品の仕様に合わせて、成形方法を選定することが重要です。

詳しくは「ダウンロード」の「損をしない熱硬化CFRPの使い方.pdf 6~9ページ」を参照

 

プリプレグとは?

プリプレグとは、炭素繊維にあらかじめ樹脂が含浸しているシート状の材料です。形態としては、炭素繊維が一方向に並んだUD材と、タテヨコに織られた織物材があります。織物材は織り方によって平織、綾織、朱子織などがあります。

 

CFRPの特長は?

代表的な例

●軽量(軽い)
●高強度(強い)
●高剛性(たわみにくい)
があります。

そのほかにも、
●振動減衰性が良い
●寸法安定性が良い
●疲労特性に優れる
●熱伝導率が高い
●錆びない
●電磁波遮蔽性がある
●X線の透過率が高い

詳しくは「ダウンロード」の「CFRPの基本の基本.pdf 3~14ページ」を参照

 

CFRPの用途は?

CFRPが使われる分野は大きく分けると、
●スポーツ・レジャー
●産業
●航空宇宙
の3つに分類されます。
いずれの分野もCFRPの「軽量・高強度・高剛性」という特長を生かした使い方が中心となっています。

CFRPの需要が最も多いのは産業分野です。その用途は多岐にわたり、
●自動車—プロペラシャフト、外板
●機械部品—板ばね、ロボットアーム
●高速回転体—遠心分離機ロータ、フライホイール、工業用ローラー、シャフト
●圧力容器—水素タンク、CNGタンク
●医療機器—天板、カセッテ、X線グリッド
●土木建築—コンクリート補強材、ケーブル、ロッド
などがあります。

詳しくは「ダウンロード」の「CFRPの基本の基本.pdf 15ページ目」を参照

 

CFRPはどのように設計する?

CFRPは、金属やプラスチックと異なり、材料そのものを設計することが可能です。

プリプレグを使用する場合、手順としては、
1.要求事項に合わせて炭素繊維および樹脂を選定する
2.必要なプリプレグの種類、積層方向、枚数を決める
3.形状を決める
となります。

詳しくは「ダウンロード」の「CFRPの基本の基本.pdf 21~23ページ」を参照

CFRPを設計するにあたっては、力学的特性のほか、熱的・電気的・化学的特性を考慮し、かつ機械加工や組立などの後工程でどのような加工がされるかも踏まえて設計することが重要です。