技術紹介(組立)

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組立

CFRP液晶パネル搬送ハンド

・軽量・高剛性(実績:330 GPa品)
・振動減衰性に優れています ・写真は第6世代用ダブルアームです
・組立・調整を行いパッド面の平面度0.5mm以内
・センサー・電磁弁等組込みも実施いたします
引張ヤング率

250 GPa

線膨張係数

0.1×10-6/ ℃ 以下

密度

1.65 g/cm3

重量

上ハンド:54kg / 下ハンド:32kg

CFRP定盤 その1

・軽量定盤
・CFリブ構造による中空構造品
・高い寸法安定性(低線膨張率、高剛性)
・表面機械仕上定盤
・サイズ 50t×1300mm×1700mm

CFRP定盤 その2

・軽量定盤
・CFリブ構造による中空構造品
・xyz方向に高い寸法安定性(低線膨張率、高剛性)
・表面研磨仕上定盤
寸法

930×3000×80 mm

重量

76kg(同剛性の鉄定盤と比較すると約1/50)

平面度

20μm

線膨張係数

0.1×10-6/ ℃ 以下

CFRPシャフト

・軽量・高剛性シャフト
・六角断面形状(中実)
・両端にはSUSジャーナルを接着しています

引張強度

1100 MPa

引張ヤング率

250 GPa

線膨張係数

0.2~0.3×10-6/ ℃ 以下

密度

1.65 g/cm3

TOKYO FIBER ’09-SENSEWARE展

建築家、青木淳氏デザインによる片持ち梁の超ロングアーム照明器具は、2009年4月22日から27日まで、イタリアのミラノ・サローネと同時期に開催されたTOKYO FIBER ’09-SENSEWARE展に展示されました。

肉厚わずか1mmの中空構造のCFRPとすることで軽さを追求し、かつ中空部に必要な照明部品をすべておさめています。支柱からの長さ6mの物体が、重力をまるで感じさせずに水平を保ったまま周囲を照らす姿は、来場者に驚きを与えました。

グローブライド様(旧ダイワ精工様)カーボンハンドル

「軽く、快適」で、「海水にも全く腐食しない」CFRPの特性を生かした製品です。「高強度」のCFRPはねじれの力にも強く、釣具用ハンドルにはぴったりの素材です。

グローブライド様(旧ダイワ精工様)カーボンハンドル(拡大写真)

形状はクランクやストレート、表面はツヤ有り・ツヤ無しがあります。ねじれなどの厳しい強度試験もクリアしたこの製品は、性能そして外観の美しさというCFRPの魅力がたっぷりと詰まった一品です。

オヤイデ電気様 レコード針受け

CFRPの特長のひとつである「減衰性」を生かし、音源再生時の振動を軽減することに成功しました。

CFRP製テーブル

幅1m ×長さ3.5mのCFRP製テーブルは本社会議室にあります。4本脚ですが中央に人が乗ってもたわまないのは、自重の小さいCFRPのおかげです。

CFRPチェア&テーブル

お好きなサイズで製作可能です。写真のテーブルは綾織模様の天板ですが、UD材や平織でも美しい意匠が得られます。

CFRPけん玉

ACMの技術を生かし、「剣」のテーパと「玉」の球状表皮は成形にて、「皿胴」は機械加工にて製作したチャレンジ製品です。

ハニカムサンドイッチパネル

CFRP板でハニカムをサンドイッチしたパネルです。軽量・高剛性が特長で、航空機や自動車以外にも、製造設備のテーブルや天板等に採用されています。

アングル材

L字断面やT字断面など、お好きな形状や肉厚で製作可能です。軽量なのはもちろん、金属と異なり腐食を気にする必要がありません。

このほかにも

このほかにもさまざまな部品の設計・成形・加工をしております。規格外サイズも対応可能ですので、ぜひご相談下さい。

 

技術紹介(機械加工)

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機械加工

CFRP製品は、鉄・アルミ・ステンレスなどと同様に機械加工を施すことが出来ます。 ただし、炭素繊維が非常に硬いため、工具を消耗しやすいので、精度を確保するには工具の選定(超硬、ダイヤモンドなど)と、交換時期を適切に考慮する必要があります。

タッピング加工


直タップ加工は問題ありませんが、繊維が強化材として機能するように炭素繊維の配向を考慮して設計する必要があります。製品使用時にビスの着脱があり得る場合には、コイルインサートを挿入します。

ナットサート加工


角パイプなど必要なタップ深さが取れない薄肉品の場合、キリ穴加工後、ナットサート加工も採用しています。 内側に板ナットを設けることもありますが、外側から任意の位置にナット加工できるメリットがあります。

ザグリ(溝)加工



金属と同じようにザグリ加工は可能ですが、繊維を切断することでひずみが生じることを考慮する必要があります。 加工深さ・面積に合わせて材料を設計することが重要になります。

 

技術紹介(成形)

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成形

はじめてでもわかる!CFRP板の成形方法

  • 1.冷凍庫から材料となるプリプレグを取り出し、解凍する。

    • プリプレグが結露しないよう、成形する時間を考慮して冷凍庫から取り出します。
  • 2.製品サイズに合わせてプリプレグを必要枚数カットする。

    • 真っ直ぐに切らないと積層時にずれて困るので、気をつけています。 何種類ものプリプレグをカットする場合は、混ざらないよう識別管理をきちんとしています。
  • 3.プリプレグの保護シートを剥がし、決められた向きに重ねる。

    • 重ねる際に、端をきちんと揃えます。 また、ゴミなどが入り込まないよう注意深く作業しています。
  • 4.ローラーで層間の空気を抜く。以降、3と4を繰り返す。

    • 空気が残っているとボイドの原因になりますので、丁寧に作業しています。 決められた向きと枚数を正しく重ねることが重要です。指示通りに出来ているかを1枚ごとにきちんと確認しています。
  • 5.プリプレグを全て重ね終わったら、当て板を乗せ、真空バッグ等をセットし、空気を抜く。

    • バッグの中の空気が漏れていると欠陥の原因となります。特に、シール材との設置面は隙間が出来やすいので、目と耳でしっかり確認しています。
  • 6.オーブンに入れ、加熱硬化させる。

    • 真空引きは、製品が冷えるまで続けます。材料によって加熱温度や時間が異なりますので、最適な条件を選定しています。
  • 7.硬化後、冷えたら真空バッグ等を外して完成。

はじめてでもわかる!CFRP角パイプの成形方法

  • 1.冷凍庫から材料となるプリプレグを取り出し、解凍する。

    • プリプレグが結露しないよう、成形する時間を考慮して冷凍庫から取り出します。
  • 2.製品サイズに合わせてプリプレグを必要枚数カットする。

    • 繊維の向きが製品の物性を決める大事な要素となりますので、1枚1枚指示を確認しながらカットしています。
  • 3.マンドレル(芯金)にプリプレグを巻きつける。

    • 角パイプの角がだぶつきやすいので、1枚巻きつけるごとにしっかりと確認しています。
  • 4.積層品を型へセットする。

    • ここでうまくセットしないと、シワや樹脂枯れなどの外観不良や寸法不良が発生しますので、慎重に作業しています。
  • 5.オーブンに入れ、加熱硬化させる。

    • 型が温まる時間を考慮して、最適な硬化条件を選定しています。
  • 6.硬化後、冷えたら型を外して完成。

成形品のご紹介

CFRPパイプ

・丸パイプ以外に各種形状のパイプ成形が可能です
・高精度の内寸・外寸・肉厚のパイプ成形が可能です
・ロボットハンド等に使用可能なパイプです
・3m以上の長尺も一体成形可能です
引張強度

98~2600 MPa

引張ヤング率

49~390 GPa

線膨張係数

5×10-6/ ℃ 以下

密度

1.5~1.7 g/cm3

ロボットアーム

長さ約3mの角パイプ形状ですが、女性一人でも軽々持ち上げられるのはCFRP製品以外ではまず見かけない光景です。

ロボットアーム(テーパー型)

当社ではテーパー形状のパイプも生産しております。長さ3.5m x 厚さ4mmのこのアームは、CFRP製品の大きな特長である「軽量」「高剛性」を生かして、液晶パネルを運ぶのに使われています。

 

もっと知りたいACM

もっと知りたいACM

ACMはCFRPを作っている会社なのはわかったけど、一体どんな人たちが働いているの?
ここではCFRPに携わる各部署の社員を紹介します。

【事業開発部】小笠原 満則

  • これが私の仕事
    • お客様のご要求を伺い、価格の見積から、材料設計、部品設計、構造設計、そして受注後の製品の進捗状況を確認、出荷後のフォローなど営業的な仕事と設計的な仕事の両方を担当しています。産業用途を中心に、試作開発から量産まで幅広く対応しています。液晶・半導体関連の搬送用ハンドや医療用部品などもやっています。
  • ACMを選んだ理由
    • 大学のときに、「CFRPは金属と比べて軽くて強い」と授業で習い、将来性を感じました。その後、ACMがCFRPを扱っていることを知り、家から近かったこともあったので、ここで働きたいと思いました。
  • CFRPのココが面白い!
    • 設計次第で、材料の物性が自由自在に作れるところです。あとはやっぱり軽いところです。
  • 一番印象に残った仕事
    • 今までにないことを一からやらなければならないにもかかわらず、納期が非常に短い試作開発の案件は苦労しました。ご担当者の方がとても優秀で、ついていくのに精一杯でした。
  • 職場の雰囲気
    • ACMはクセのある人がいっぱいいて面白いです。事業開発部では自分が一番年下ですが、みんな良く接してくれて助かります。

【成形課】近藤 一也

  • これが私の仕事
    • 型を使ったCFRPの成形を担当しています。プリプレグと呼ばれるシート状の材料をカットして、型に積層して、空気を抜いてからオーブンへ入れます。材料をミリ単位でカットしたり、積層しているときに空気やゴミが入らないよう、常に気を配っています。

      ロール状になったプリプレグや型は数十kg、場合によっては数百kgにもなるので、体力が必要な仕事です。

      積層する部屋は空調管理されていて快適なのですが、オーブンの並ぶ部屋に行くと大変です。製品を取り出すときにオーブンの扉を開けると、熱風が一気に出てきて、部屋があっという間に暑くなるので夏は特につらいですね。

  • ACMを選んだ理由
    • すでにACMへ勤めている友人から、会社の雰囲気が良いと聞いていたので、選びました。CFRPについては入社するまで知りませんでした。
  • CFRPのココが面白い!
    • 恋と同じように、思い通りにいかないところですかね(笑)。思わぬところでシワが出来たり、樹脂が均一に行き渡らなかったり、予想外の展開になったりして、いろいろ考えさせられる材料です。
  • 一番印象に残った仕事
    • 量産品の部品をずっと任されているので、綺麗に成形出来るととても嬉しいです。でも、いつもと同じように成形したはずなのに、突然上手くいかなくなることもあるので、大変な仕事です。
  • 職場の雰囲気
    • ACMはみんな仲良しだと思います。成形課は優しい先輩が多く、困っていると助けてくれるのでありがたいです。

【機械加工課】課長 市川 貴士

  • これが私の仕事
    • 主にCFRPの機械加工をしています。板の切断や穴あけのほか、加工機を操作して切削加工を行います。 一方、課長として部下をまとめ、それぞれに見合った仕事を振り分けながら指導もしています。
  • ACMを選んだ理由
    • 以前勤めていた会社で機械加工の経験があり、より詳しく知りたかったときにこの会社を見つけました。CFRPについてはまだ特に知識がなく、見学時に初めて知りました。それと、家から近かったことも魅力でした。
  • CFRPのココが面白い!
    • CFRPは繊維と樹脂が複合して出来た材料なので、加工前は平らな板でも、表面を削ると反ることがあります。その反り方も材料によって異なるので、様々な経験を通して、どうやったら変形が少なくて済むかを日々考えながら作業しています。
  • 一番印象に残った仕事
    • 医療関係の部品で、複雑な形状を切削加工したことがあるのですが、それは治具を作るところから苦労しました。様々な角度から切削を進めなければならず、それを社内にある3軸のマシニングセンタでどうすれば加工出来るかとても悩みました。何とか完成部品を納めることが出来てホッとしました。
  • 職場の雰囲気
    • ACM自体は賑やかで明るい職場です。機械加工課は真面目な人が多く、みんな黙々と作業しています。

【組立課】真田 滉亮

  • これが私の仕事
    • 量産品の組立を担当しています。部品の組付や接着だけでなく、出荷するための梱包作業まで行います。
  • ACMを選んだ理由
    • 学校で開かれた会社説明会でACMを知りました。話を聞いて面白そうだったので、実際に見学へ行くと、若い人が思ったよりもいてびっくりしました。見学の際に初めてCFRPを見て、バリの出方などが独特で面白いなと思いました。
  • CFRPのココが面白い!
    • 量産品の検査時に、たわみを測定するのですが、薄い板なのに荷重をかけてもほとんどたわまなくてびっくりします。
  • 一番印象に残った仕事
    • 組立は複雑な仕事もあり、出来ると達成感が得られます。なかでも、角パイプを組み立てて構造物を作ったときは、サイズも大きく、パーツも多かったので大変でした。部品の穴位置が違ったり、はめ込むために擦って調整したり、組み上げる手前で自分の課以外とやりとりを重ねなければならず、準備に時間がかかりましたが、この仕事でほかの課とのコミュニケーションの重要性を学びました。
  • 職場の雰囲気
    • ACMは若い人が多く、活気があふれています。組立課は特に賑やかで楽しいです。

CFRPとは?

 

CFRPとは?

CFRPとは、「Carbon Fiber Reinforced Plastics」の略で、「炭素繊維強化プラスチック」を意味します。プラスチック、つまり樹脂を炭素繊維で強化することで、樹脂単体よりも高い強度や剛性を得ることが出来ます。

 

CFRPは何で出来ている?

CFRPに使われる炭素繊維には、PAN系とピッチ系の2種類があります。PAN系炭素繊維は、PAN(ポリアクリロニトリル)が原料で、ピッチ系炭素繊維は、石油や石炭から得られるピッチと呼ばれるものが原料の炭素繊維です。

詳しくは「ダウンロード」の「CFRPの基本の基本.pdf 10~12ページ」を参照

CFRPに使われる樹脂には、加熱すると硬化する熱硬化性樹脂と、加熱すると融解する熱可塑性樹脂があります。CFRPへ主に使われているのは熱硬化性のエポキシ樹脂ですが、そのほかにも不飽和ポリエステル、ビニルエステル、フェノール、シアネートエステル、ポリイミド、熱可塑性樹脂ではポリアミド(PA)、ポリカーボネイト(PC)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルエーテルイミド(PEEK)などが使われます。

これらの炭素繊維と樹脂を組み合わせることで、様々な特性を持ったCFRPを作ることが出来ます。

 

CFRPはどのように成形する?

CFRPを成形する場合、プリプレグと呼ばれる炭素繊維に樹脂が含浸したシート状の材料を使う方法や、炭素繊維(束状ないしは織物状)に液状の樹脂を含浸させる方法があります。それぞれに特長がありますので、作りたい製品の仕様に合わせて、成形方法を選定することが重要です。

詳しくは「ダウンロード」の「損をしない熱硬化CFRPの使い方.pdf 6~9ページ」を参照

 

プリプレグとは?

プリプレグとは、炭素繊維にあらかじめ樹脂が含浸しているシート状の材料です。形態としては、炭素繊維が一方向に並んだUD材と、タテヨコに織られた織物材があります。織物材は織り方によって平織、綾織、朱子織などがあります。

 

CFRPの特長は?

代表的な例

●軽量(軽い)
●高強度(強い)
●高剛性(たわみにくい)
があります。

そのほかにも、
●振動減衰性が良い
●寸法安定性が良い
●疲労特性に優れる
●熱伝導率が高い
●錆びない
●電磁波遮蔽性がある
●X線の透過率が高い

詳しくは「ダウンロード」の「CFRPの基本の基本.pdf 3~14ページ」を参照

 

CFRPの用途は?

CFRPが使われる分野は大きく分けると、
●スポーツ・レジャー
●産業
●航空宇宙
の3つに分類されます。
いずれの分野もCFRPの「軽量・高強度・高剛性」という特長を生かした使い方が中心となっています。

CFRPの需要が最も多いのは産業分野です。その用途は多岐にわたり、
●自動車—プロペラシャフト、外板
●機械部品—板ばね、ロボットアーム
●高速回転体—遠心分離機ロータ、フライホイール、工業用ローラー、シャフト
●圧力容器—水素タンク、CNGタンク
●医療機器—天板、カセッテ、X線グリッド
●土木建築—コンクリート補強材、ケーブル、ロッド
などがあります。

詳しくは「ダウンロード」の「CFRPの基本の基本.pdf 15ページ目」を参照

 

CFRPはどのように設計する?

CFRPは、金属やプラスチックと異なり、材料そのものを設計することが可能です。

プリプレグを使用する場合、手順としては、
1.要求事項に合わせて炭素繊維および樹脂を選定する
2.必要なプリプレグの種類、積層方向、枚数を決める
3.形状を決める
となります。

詳しくは「ダウンロード」の「CFRPの基本の基本.pdf 21~23ページ」を参照

CFRPを設計するにあたっては、力学的特性のほか、熱的・電気的・化学的特性を考慮し、かつ機械加工や組立などの後工程でどのような加工がされるかも踏まえて設計することが重要です。

 

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