CFRP板成形 積層編

こんにちは。先ほど新幹線の切符を買いに出かけたのですが、なんとすでに満席とのこと!もっと早く手配しておけばよかった・・・とほほ。

さて今日は、「CFRP板成形 積層編」というお話です。

今日もブログのネタを探しに工場を歩いていたら、ちょうど板の成形をしているところに出会いました。

CFRPの素材となるプリプレグをカットして・・・

プリプレグの裏にある紙を剥がし・・・

(注.プリプレグは炭素繊維に樹脂が含浸しているため、軽い粘着性があります。そのため、表面には保護フィルム、裏にははくり紙がついています。)

今回は3m長さの大板成形とのことで、作業も2人がかりです。間違っても繊維を折ってしまわぬよう、ハンドリングに気をつけます。チームワークが重要!せーの・・・

よいしょ!と積層。端をきちんと合わせます。

積層の際に入る層間の空気は、残るとボイドの原因になるので、ローラーでしっかり抜きます。

成形に関する詳細は、エーシーエムの人気ページのひとつである、「CFRP板 製造工程」をぜひご覧下さい。

CFRP製品にご興味・ご関心のある方、ぜひ一度弊社へお問い合わせ下さい。

炭素繊維強化プラスチックを材料設計から一貫した製品作り
CFRP 加工」のエーシーエム

世界初!風車直径93mの超大型風力発電機

こんにちは。CFRPのメーカーたるもの、世界のニュースも拾わなければ!というわけで風力発電の話題をお届けします。

さて今日は、「世界初!風車直径93mの超大型風力発電機」というお話です。

Envision 93 meters large blade turbine refresh the wind power record (JEC Composites)

中国のEnvision Energy Corporationが、風車直径の世界記録(定格出力1.5MW)を、これまでの87mから93mへ塗り替えたそうです。風力発電のブレードってそんなに大きいのがあるのですね。40~50mくらいでも十分大きいと思ってましたが・・・。

ボーイング777やエアバスA380の全長が70m前後ですから、飛行機よりも大きい風車ということですか。CFRPの期待される分野に、航空機と風力発電が挙がるのがわかる気がします・・・一体どれくらいの炭素繊維を使うのでしょう。ちなみにWikipediaによると、アメリカの自由の女神の高さが、台座も含めれば93mあるそうですので、自由の女神1像分の風車サイズということになります。

ところで、風車の地図記号ってこうなんですね。

なんかかわいい・・・。

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FRPではなくACMなのです

こんにちは。今日もまた雨が降っています。5月ってこんなに雨が多かったかなぁ?

さて今日は、「FRPではなくACMなのです」というお話です。

ACMの名刺の左下には、業務内容としてこんなことが書いてあります。

「先端複合材料の設計・成形・接着・加工」です。

そもそもACMというのはAdvanced Composite Materialsの略で、先端複合材料(または先進複合材料や新複合材料)という意味の一般名称です。それを社名にしたのは、「我々は強化プラスチック(FRP)ではなく、先端複合材料(ACM)をやっているのだ!」という社長の強い思いからでしょう。

先端複合材料のキーワードは、なんといっても「高比強度」、そして「高比剛性」です。GFRP(ガラス繊維強化プラスチック)は軽量でかつ鉄に劣らぬ引張強度をもつ材料ですが、問題は弾性率が低い、つまりたわみやすいのです。鉄は高強度でたわみにくいけど重い、GFRPは軽量・高強度だけどたわみやすい・・・その両方の良さを兼ね備えたのが、軽量・高強度・高剛性でおなじみ、先端複合材料の代名詞ともいえるCFRP(炭素繊維強化プラスチック)です。これら3拍子が揃ったことで、CFRPは航空機の一次構造材という大きな役割を担える材料となりました。

以下、先端複合材料に関するキーワードを並べておきます。
FRP (Fiber Reinforced Plastics: 繊維強化プラスチック)
FRM (Fiber Reinforced Metallics: 繊維強化金属)
FRC (Fiber Reinforced Ceramics: 繊維強化セラミック)
FRCM (Fiber Reinforced Composite Materials: 繊維強化複合材料)

AFRP (Aramid Fiber Reinforced Plastics: アラミド繊維強化プラスチック)
BFRP (Boron Fiber Reinforced Plastics: ボロン繊維強化プラスチック)
CFRP (Carbon Fiber Reinforced Plastics: 炭素繊維強化プラスチック)
GFRP (Glass Fiber Reinforced Plastics: ガラス繊維強化プラスチック)

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フランス出張その13 引抜成形によるコイルスプリング

こんにちは。今日は遂に、ACMの近所のドブにいると噂のザリガニを発見しました。子供たちの釣り場になっているとは聞いていたのですが、入社以来一度も見たことがなく、突然の出会いに慌てて写真を撮りました。いい年をした大人がドブに向かってシャッターを切る姿は、通りがかりの人にとってさぞかし不審だったと思いますが、幸いにも呼び止められることはありませんでした。

さて今日は、「フランス出張その13 引抜成形によるコイルスプリング」というお話です。

少し戻って、再びJEC Europeの話になりますが、なにせサッカー場の8倍にも及ぶ広い会場(50,000m2)に1000社以上の企業が出展しているために、3日間だけではとても全ての展示を見切ることは出来ませんでした。

こうなると、たいていあとから「あー、それ見逃した!」という展示が出てくるわけで、最近届いた冊子「JEC magazine」を読んでいたら、Thomas Technik社の引抜成形によるスプリングが目に留まりました。

引抜成形は、価格が高いといわれるCFRPのなかでも、型や設備さえ準備出来れば比較的製品コストが抑えられる方法といえます。しかし、真っ直ぐで同一断面形状のものしか出来ない(例.パイプ、アングル、棒材など)のが一般的です。

ところがTomas Technik社は2010年のJEC Showより3次元形状の引抜成形を発表し続けており、例えばコイルスプリングも作れるそうです。同社の公式HPを見ると、断面がコの字になったスプリングも見ることが出来、大変興味深いです。

これまで自分が持っていた引抜成形のイメージを超える製品が展示されていたのではないかと思うと、見ておきたかったなぁというのが正直な感想です。次回は見逃さないよう似せねば!

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フランス出張その10 JEC Europe 2012おもしろ展示あれこれ

こんにちは。フランス出張シリーズもついに10話目へ突入!まだまだ続く予定ですので、皆様もうしばらくお付き合いくださいませ。

さて今日は、「フランス出張その10 JEC Europe 2012おもしろ展示あれこれ」というお話です。

世界最大級の複合材料にまつわる展示会「JEC Europe 2012」ともなれば、一般の方向けとは言えない分野だけにお堅くなりそうですが、そこはいつでもユーモアを忘れない欧米人らしく、面白い展示をいくつか見つけましたのでご紹介します。

ZYVAX社のポスター。スプレーガンが様になっております。離型剤の宣伝とは誰も思わないでしょう。

EUROCARBON社のマネキン。組物および編物の会社だけあって、衣装はその技術を活かして作られていました。

ちなみに彼女はBraidiliciousさんという名前らしく、胸元には以下のように衣装の解説が書いてありました。
「Dress: Tri-axial overbraiding
Sleeves: Hybrid tri-axial overbraiding
Stocking: Elastic UD
Necklace cord: Gusset filler」

そして昨日も登場しましたASC社のオートクレーブマスコット!カワイイ!

ちなみに柔らかい素材で出来ていますので、ストレスが溜まった日は「オートクレーブを握りつぶす」という斬新な行為が可能です・・・。

さて、次回はJEC Europeを離れ、ボーイングに次ぐ世界第2の航空宇宙企業ことEADS(エアバスの親会社)の見学について書く予定です。どうぞお楽しみに!

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フランス出張その9 オートクレーブ

こんにちは。最近はほぼ毎日更新を心がけており、今のところ順調に進んでいます。いつまで続くのかどうぞお楽しみに・・・。

さて今日は、「フランス出張その9 オートクレーブ」というお話です。

これまでご紹介した通り、大型部品の需要が拡大したため、脱オートクレーブに関する出展が目立つJEC Europe 2012ですが、もちろんオートクレーブの出展がないわけではありません。

というわけで、ASC社のオートクレーブを見せていただきました。

弊社もそろそろオートクレーブを導入しようか検討中・・・釜本体のほか、必要な周辺設備が置けるスペースも確保しなければなりません。

カタログによると、扉と奥に見える格子状のプレート(H-Slot)が循環空気を整流化し、オートクレーブ内の温度を均一にしてくれることで空気だまりが出来ず、庫内を100%作業に使えるのが特長のひとつだそうです。

あ、マスコット発見!ちゃっかり2つもいただきました・・・。

周辺設備も含めたオートクレーブ1式が丸々展示されているのを見るのは初めてだったので、とても勉強になりました。他社のオートクレーブも同様の規模で展示されていれば、ぜひ拝見したいものです。

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フランス出張その8 三軸織物によるリフレクター

こんにちは。先週まで咲いていた桜もずいぶんと散り、町の風景が少し寂しくなりました。と思えば、店先ではこいのぼりをちらほら見かけるようになり、新緑の季節へ向けて準備が着々と進んでいるようです。

さて今日は、「フランス出張その8 三軸織物によるリフレクター」というお話です。

JEC Europeではヨーロッパに限らず、世界各地の企業が多数出展しておりました。公式プレスリリースによると、出展者の74%が国外からだそうです。

こちらは世界で唯一三軸織物を工業生産しているサカセ・アドテック社のブース。新素材を探し求める方々が、ひっきりなしに訪れておりました。

さて、そのサカセ・アドテック社の紹介で訪れたヘクセル社のブース。

展示されている大きなリフレクターに注目。

さらに近寄るとこんな感じ。

実は、サカセ・アドテック社の三軸織物が、ヘクセル社でプリプレグ(HexPly M18)となり、アストリウム社によって人工衛星のリフレクターになっていたのです。

炭素繊維が織物となり、その織物がプリプレグとなり、そしてそのプリプレグが成形品になる・・・繊維が成形品になるまでには様々なメーカーが関わっているひとつの例ですね。

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フランス出張その7 フィラメントワインディング

こんにちは。今日は嵐と聞いていましたが、横浜は特に異常もなく、少し雨が降っている程度でした。桜がまだ散っていないとよいのですが・・・。

さて今日は、「フランス出張その7 フィラメントワインディング」というお話です。

フィラメントワインディング(FWと略すことが多い)は、芯となるマンドレルに繊維をぐるぐると巻きつけていく成形方法で、代表的な用途は圧力容器です。繊維はプリプレグのように樹脂があらかじめ含浸しているものを巻きつける場合もあれば、繊維に液状樹脂を含浸させながら巻く場合もあります。成形作業の機械化が確立されている方法のひとつといえます。

3B – THE FIBREGLASS COMPANY社の圧力容器。ガラス繊維を使っていると思われます。余談ですが、展示に愛嬌がありますね。

Circomp社のプロトタイプ。円筒の内側にリブがある構造ですが、フィラメントワインディングで成形したそうです。

KUKA / MF TECH / TUBE CARBONE.COM社のブース(だったと思われます)では、なかなか見られないフィラメントワインディング用の装置もありました。

繊維が巻きつけられる方(本展示ではペンが設置されていました)は固定で、マンドレル側が回転しながら位置をずらしていく動きでした。ちなみに、「KUKA」の文字もマンドレルを器用に動かし、書かれていきました。

同ブースにあったフィラメントワインディング法と思われるテーブル。周方向だけでなく、様々な角度で巻けるのもこの成形法の特長です。

日本ではなかなかここまでバリエーションのあるフィラメントワインディングに関する展示は見られないので、さすが世界最大規模の複合材料展示会だなぁ、と感心しました。

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フランス出張その6 インフュージョン

こんにちは。日本を代表する大手メーカーの「赤字」や「リストラ」のニュースを見ると、私も製造業に勤める身として、とても不安になります。素材だけ、技術だけが世界一であっても、ユーザーへ届く最終形態の価値を高められないようだと、このまま先細りは確実・・・。CFRP業界も炭素繊維は日本が圧倒的なシェアを持っていますが、それを成形し部品として供給する力は、活発な情報共有、ユーザーのニーズに焦点を合わせた戦略的な研究開発、オリジナリティを追求し差別化出来る環境などにおいて、海外勢に分がある印象です。

さて今日は、「フランス出張その6 インフュージョン」というお話です。

AIRTECH社のブースでは、インフュージョンのデモが行われていました。

バギングフィルムをセット後、真空にします。

ここだけ見ると、弊社で行うプリプレグを使った真空バッグ法とそっくりですが、真空バッグ法はプリプレグに樹脂が含まれているためそのままオーブンへ入れて熱硬化させるのに対し、インフュージョンは樹脂を注入し硬化させます。

RTMやインフュージョンなど、脱オートクレーブの流行が顕著なJEC Europe2012。 弊社ももっと勉強しなければ、と反省しきりです。

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フランス出張その5 RTM

こんにちは。ようやく暖かくなり、各地で桜が満開のようですね。

さて今日は、「フランス出張その5 RTM」というお話です。

JEC Europeの展示品では、成形方法としてRTM(Resin Transfer Molding)を採用したものも多々ありました。これまでのフランス出張話にも関係するのですが、やはり脱オートクレーブの流れやブレーディングをはじめとしたプリフォームの形状の幅が広がったおかげで、プリプレグ+オートクレーブ成形よりも、生産性に期待が持てるRTMを採用する企業が多い印象です。

以下、ハンツマン社のブースより、気になったRTM成形品をご紹介します。


成形法:High Pressure RTM
サイクルタイム:10分
型温度:110℃
Vf:50%


成形法:High Pressure RTM
注入時間:8秒
硬化時間:3分
型温度:100℃
Vf:50%

我々はプリプレグを使ったオーブン成形を行っておりますが、積層品を硬化させるのに約2時間ほどかかりますので、それに比べると圧倒的な早さですね。

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