さて今日は、「CFRP板の反り」というお話です。
「プリプレグの製品形態について」でもお話したように、CFRPは様々なプリプレグを積層して作ります。どんなプリプレグを積層するかを考えるのが積層設計ですが、その積層設計をする際に、注意しなければならないことがあります。次の写真をご覧下さい。

このCFRP板は平板を作るための型を使って成形したのですが、平らにならずに大きく反っています。なぜこれほどまでに反っているのでしょうか。ヒントは、表面にクロスのプリプレグ、裏面にUDのプリプレグを積層して成形しています。
実はプリプレグによって樹脂の硬化収縮率が異なるため、結果的に縮む力の大きい層に引っ張られ、板が反るのです。どの程度反るかは、糸の種類や織り方、樹脂の種類や量など様々な要因が関係するので、なかなか予想通りにはいきません。
ですから、製品の積層設計をする際は、層の中心から面対称にプリプレグを積層することで、反りを生まないようにしています。
将来的にはこの反りをうまくコントロール出来るようになって、新たな製品開発につながればいいなと思います。しかし、そのためにはまだまだ研究が必要なようです。
CFRP製品にご興味・ご関心のある方、ぜひ一度弊社へお問い合わせ下さい。
炭素繊維強化プラスチックを材料設計から一貫した製品作り
「CFRP 加工」のエーシーエム
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