こんにちは。しばらく会社を離れていたので、会社の電話を扱うのも何だかぎこちないのですが、とある取引先の方へ久々に電話をしたら、「おかえりなさい」と言ってもらえて嬉しかったです。

さて今日は、「CFRP歯車について考える」というお話です。

たまにはニュースの話題から。
炭素繊維で歯車軽量化 岐阜大教授と恵那の企業が開発(岐阜新聞)
http://www.gifu-np.co.jp/news/kennai/20150418/201504180945_24747.shtml

歯車をCFRP化したい、というお話はよくあって、その場合は
1. 型に樹脂と短繊維を混ぜて成形
2. 積層板から機械加工
というのが考えられます。

1は成形が上手く出来れば、後加工の心配をせず量産可能といえますが、型をどう作るかが問題となるのに加え、短繊維のCFRPとなるために、樹脂のみの歯車よりは強度が改善されますが、長繊維を使った金属並みの強度を得ることは難しいです。また、短繊維がきちんと分散していないと部品の強度に偏りが生じますし、量産時の品質も安定しないことになります。

2は積層板にすることで、長繊維を使えるため高い強度を得られますが、その高強度を得られるのは繊維が入っている方向のみになりますので、部分的には強度の低い箇所も存在します。型が不要なので試作はしやすいと思いきや、問題は歯車の歯の部分をどう加工するか・・・難削材のCFRPを高精度で歯切りをするには優れた刃物を用意しなければいけませんし、高い加工技術も要求されます。

というわけで、歯車のCFRP化はハードルが高いのですが、このニュースでは歯面を炭素繊維の帯で補強しており、先に挙げた1でも2でもないアイデアで大変興味深いです。帯を引っ張りながら樹脂と同時成形するのはかなり難易度が高いように思います。この成形品の物性が、樹脂品と比べてどこまで改善されたのかぜひ知りたいです。

CFRP製品にご興味・ご関心のある方、ぜひ一度弊社へお問い合わせ下さい。

炭素繊維強化プラスチックを材料設計から一貫した製品作り
CFRP 加工」のエーシーエム

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